「特定技能」が他のどのルートとも異なっているのは、
「就労目的」のビザであることが明文化されているところです。
対象者は、通常の日本語能力試験(N4)に加え、
①「介護技能評価試験」
②「介護日本語評価試験」
という独自の試験に合格しなければ、ビザ申請することができません。
在留期限は最大5年間ですが、在留中に介護福祉士の国家資格を取得すれば、
在留資格を「介護」に切り替えて、永続的に働くこともできます。
なお、3年目まで修了した技能実習生や、
残念ながら国試に落ちてしまったEPA候補者、
介護福祉士養成校を卒業した留学生も、
一定の要件を満たせば「特定技能1号」への移行が可能です。
受け入れ側の条件は?
おもな受け入れ側の条件は、
「特定技能雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていること」です。
あいまいにも見える基準ですが、実際には
・労働・社会保険・租税に関する法令を遵守していること
・5年以内に出入国・労働法令違反がないこと
・支援 ※1 に要する費用を外国人に負担させないこと
・報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと
・外国人が紹介業者等から「保証金を徴収されていない」ことを確認すること
などなど、技能実習制度の中で起きた様々な問題の反省から
労働基準法などの遵守はもとより、
悪質なブローカーなどから外国人を保護するよう定められていることがわかります。
※1 求められる支援内容
特定技能外国人に対しては、
「こういった支援をしなければならない」という
支援内容が決められています。
具体的には、
(1) 事前ガイダンスの提供 … 業務の内容、報酬の額、労働条件に関する事項についての確認
(2) 出入国する際の送迎 … 出国時は保安検査場の前まで同行し、入場を確認
(3-1) 適切な住居の確保にかかる支援 … 社宅・寮の提供、住居探しの補助(1人当たり7.5㎡以上)
(3-2) 生活に必要な契約に係る支援 … 金融機関、携帯電話、電気・ガス・水道等の手続きの補助
(4) 生活オリエンテーションの実施 … 現地語・ 8時間以上で実施
・生活一般に関する情報提供 : 金融機関、医療機関、交通機関、災害情報、違法行為等
・関係機関への届出・手続 : 所属機関、住居地、社会保障・税、マイナンバー等の行政手続き
・相談・苦情に関する情報提供 : 支援担当者の氏名・連絡先、国又は地方公共団体の機関の連絡先
・医療に関する情報提供 : 外国人患者の受入体制が整備されている医療機関、民間医療保険への加入案内
・防災・防犯に関する情報提供 : 自然災害、事件・事故等への備え、火災の予防、緊急時の対応方法
・法令規定違反に関する情報提供 : 法令違反、人権侵害があった場合の対処方法
(5) 日本語学習機会の提供 … 日本語教育機関・教材・オンライン講座に関する情報、日本語講習の機会提供
(6) 相談または苦情への対応 … 相談・苦情への適切な対応、適切な機関への手続き補助
(7) 日本人との交流促進に係る支援 … 地域住民との交流の場・各行事等への参加の手続き補助、同行説明
(8) 外国人の責めに帰すべき事由によらない雇用契約解除時の転職支援 … 転職活動への同行・補助など
(9) 定期的な面談の実施、行政機関への通報 … 3ヶ月に1回以上の直接面談、問題発生時の通報
などなど、こちらに関しても、技能実習制度への批判から
より「労働者の権利」を守ることに重きを置かれた内容になっていることがわかります。
これらの支援を実施するにあたっては、専門知識が必要になる場合もあるため、
雇用主が自社で支援を行うのが難しい場合は
「登録支援機関」に支援内容を委託することもできます。
受け入れを成功させるためには?
上記の支援は、これまでに何年も外国人を受け入れてきた事業所にとっては
そこまで難しくなく、ある意味当然な内容になっています。
しかし、来日前の証明が必要なものや、
外国人本人が理解できる言語で実施する必要があるので、
最初の数年は「登録支援機関」におまかせすることをおすすめします。
弊社は支援内容の「全委託」だけでなく、一部のみのサポートも受けつけております。
在留期間中、すべての支援を「登録支援機関」に丸投げしてしまうのは
経済的負担も大きく、自社のノウハウもなかなかたまりません。
「登録支援機関」だけでなく、「職業紹介事業」としても認定されていますので、
人材の紹介・教育もおまかせください!