技能実習制度の本来の目的は、開発途上国では習得が困難な技能を移転することです。
よって、在留期限(最大5年)が限られており、
あくまでも「研修」という位置づけであることには注意が必要です。
どんな人が申し込めるの?
技能実習の中でも「介護」は、他の分野(農業など)とは違う扱いになっており、
・ 訪問介護施設では受け入れ不可
・ 事業所設立から3年以上
・実習生5人につき1人の指導員を配置(そのうち1名は看護師、介護福祉士等)
などなど、「介護」職種にだけ、特別な条件が定められています。
じゃあ、実習生になるためには?
実習生側の条件も、他の職種より厳しくなっています。
・ 18歳以上
・ 来日時点でN4以上(1年後にN3程度達成が目安)
・ 外国における介護従事経験者
「介護」以外の職種がN5レベルでOKな分、
「来日時点でN4以上」という条件は、実習生本人にとっても、ハードルが高いものとなっています。
受け入れ方法
技能実習には、「企業単独型(海外に現地法人がある場合のみ、直接契約が可能)」と、
「団体監理型(監理団体の監督・取り締まりの下、実習を行う)」があります。
介護業界の場合は、ほとんどが「団体監理型」になるかと思いますので、
なんといっても信頼できる「監理団体」を探すことが重要になってきます。
(※「団体監理型」の場合は、毎月平均4万円~5万円の「監理費用」がかかります。)
最近も、大手の人材送り出し機関が「失踪者が著しく多い」ことを理由に
新規受け入れ停止になったというニュースがありました。
パートナーとなる監理団体を決めるにあたっては、その団体が
「どんな送り出し機関と提携しているか」も忘れずに確認が必要です。
受け入れを成功させるためには?
技能実習は、「労働力の確保」が目的の制度ではないため、
法的規制や費用負担が多く、様々な課題が残されているのは事実です。
ただその分、受け入れのハードルが比較的低い、
「実習生」としての受け入れなので、転職の概念がないなどのメリットもあります。
なにかと悪い側面ばかりが取りざたされる「技能実習」ですが、
悪いのは制度そのものではなく、制度を悪用する業者(一部のブローカー)です。
ほとんどの監理団体は、現地の送り出し機関と契約し、人材選抜・事前教育などを完全委託しています。
人材の質に大きく関係してくるところなので、
可能であれば、「どんな教育を行っているか」というところだけは
直接確認させてもらった方がいいかもしれません。